「One Team」に見る、ダイバーシティー
「私自身、ラグビー観、人生観がこの試合を見て大きく変わりました。選手の中に日本人が何人いるとか、監督やスタッフは日本人でなきゃダメだとか……。それは実に些細なこと。そんな事にこだわっていても仕方がない……」
昨年のラグビーワールドカップ日本大会から遡ること4年。ワールドカップ2015イングランド大会の南アフリカ戦で、日本チームが歴史的な勝利を挙げた後の、清宮克幸現ラグビー協会副会長の言葉です。
ラグビーは、ある一定の条件を満たせば、その国の国籍を持たなくても代表チームでプレーできます。
しかし、これまでは日本代表チームを見て、「先発メンバーを見ても外国人が多くて、これでも『日本代表』と言えるのかな……」と違和感を持つ人が少なくありませんでした。
南アフリカ戦で活躍した五郎丸選手にも、当初は同様な違和感があったと、あるインタビューで言及しています。
しかし、一年前のワールドカップ日本大会を体験した私たち日本人で、このような考えに固執する人はいなくなったのではないでしょうか。私たちの目に映る外国人選手たちは、単なる『助っ人』ではなく、ラグビー人生を日本に賭けた『メンバー』でした。
そして、その象徴的な言葉が、人々の心に根付いた「One Team」という言葉。
昨年のワールドカップが閉幕した後、英国商工会議所主催で日本大会の成功についてパネルディスカッションが行われました。
その際、日本人として唯一参加されていた森重隆ラグビー協会会長が、「ワールドカップ日本大会が日本に残した大きなモノは、多様性(ダイバーシティー)というレガシーだった」と述べていました。
これがラグビーだけではなく、私たちが住む社会、企業社会にも根付くことを望みます。
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