グローバル人材へ 英語力ゼロからのサバイバル

大学を卒業後、外資系証券会社に入社して、当時、英語でのコミュニケーションがほとんどできなかった私にとって、最初に困ったことは海外からの電話でした。

東京が夕方になると、朝のロンドンオフィスから、私が働いていたトレーディングフロアには多くの電話がかかってきました。当然のことながら、その電話には、秘書の方だけでなく新人も対応いたします。

私も電話に出るのですが、名前を言われてもその英語が聞きとれません。電話の相手に尋ねても分からない。仕事ですので、わかるまで何度も聞くと、当然、相手は誰でも怒り出します。

どうしたらいいかと、とても悩み、ニューヨークから赴任していた普段は温厚な上司からも「何とかしろ」と言われる始末。

一生懸命考えたあげく、秘書の方や部内のメンバーの方々に聞いて回り、海外から電話がかかってくる人たちの全ての名前をリストアップして、それを記憶しました。

その後、電話を取って名前を言われた時に、それが半分ぐらいしか聞き取れなくても、英語で言うguess がきいて、この名前だと推測でき、上司や担当者の方々に、相手の名前をしっかりと繋げられるようになりました。

英語ができない人間が、グローバルジャングルの中でサバイバルするための第一歩でした。

相原 滋樹Shigeki Aihara

ジュピター・アンド・カンパニー株式会社 
代表取締役

ゴールドマン・サックス証券会社にて20年間勤務し、同社アジアパシフィック担当財務責任者を務める。2011年ジュピター・キャピタル・マネジメント株式会社(当時)を設立。RIZAPグループ株式会社財務戦略のサポートに従事し、2018年株式会社ウイルグループ執行役員CFOに就任。2021年株式会社お金のデザインChief Strategy Officerに就任。

一覧へ戻る