ゲームチェンジによる自動車産業のパラダイムシフト(2) 〜ソニーのEV事業参入の発表から〜
先週、ラスベガスでのCES2022のプレスコンファレンスにおいて、ソニーグループがEV事業への本格参入を発表しました。
この発表がモーターショーではなく、家電・テクノロジーの展示会であるCESで行われたことは、ソニーの「クルマ作り」の哲学、設計思想が、これまでの既存の自動車会社とは根本的に大きく異なる現れの一つだと思います。
この発表の関連記事や動画を見ても、いわゆる車の性能に割かれる誌面、時間はそれほど多くなく、「エンターテイメント」「音楽」「映像」「ゲーム」「クラウド」などの単語が多く出てきます。また、「ハコ」である車体は、カナダの部品メーカーの子会社であるオーストリアのマグナ・シュタイヤー社が受注生産すると報道されています。
今後、例えば、アップルのEV事業への参入、アップルカーに関する発表があるとしたら、それも、モーターショーではなく、CESやiPhoneやiPadの新製品発表を行うサンフランシスコの場所で行われるのではないかと思います。そして、ソニーとは、また異なったコンセプトの「クルマ」になるのでしょう。
テクノロジーの進化と脱炭素の大きな流れの中、「モビリティー」というワードが使われるようになり、自動車というプロダクトの再定義が急速に進み続けています。これは、自動車に限らず、私が携わった金融やその他の業界でも起こっていることであり、日本の基幹産業である自動車業界は目に見えてわかりやすいケースだと考えます。
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