ロシアのウクライナ侵攻に思う 〜エストニアの電子政府「e-Government」の「根っこ」〜

ロシアによるウクライナ侵攻の報道に接した時、サイバーセキュリティー事業を立ち上げた6年前に、エストニアを訪問した時の事を思い出しました。

当時、すでに世界で最も先進的な電子政府「e-Government」を運営していたエストニアでは、行政サービスのほとんどがオンライン上で可能でした。

「e-Government」の構築は、バルト三国の一つであるエストニアという国が、ロシアやドイツから国土を侵略されてきた歴史が背景にあるのだと、その時お会いしたエストニアの方から教えてもらいました。

今後、万一、再び国が侵略され、物理的に国が占領されたとしても、インターネット上にエストニア政府は存在し続け、国外に退避した国民がそこにアクセスすれば、エストニアは国として機能し続ける、という基本思想があるということでした。

ロシアがウクライナを制圧した場合、次に、エストニアを含めた「バルト三国」にも脅威が迫ると言われている今、6年前に聞いた話が現実の問題となっています。

そして、台湾有事、尖閣諸島、北方領土、北朝鮮による核ミサイルの脅威等の問題にさらされている日本も、それは決して対岸の火事ではないのです。

相原 滋樹Shigeki Aihara

ジュピター・アンド・カンパニー株式会社 
代表取締役

ゴールドマン・サックス証券会社にて20年間勤務し、同社アジアパシフィック担当財務責任者を務める。2011年ジュピター・キャピタル・マネジメント株式会社(当時)を設立。RIZAPグループ株式会社財務戦略のサポートに従事し、2018年株式会社ウイルグループ執行役員CFOに就任。2021年株式会社お金のデザインChief Strategy Officerに就任。

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