震災への思い

以前、同級生の仙台の友人を訪ねた時、「時間があれば、閖上(ゆりあげ) とか、荒浜小学校跡へ行こうか」と言う彼の言葉を聞いて、自分が父の転勤で一時期仙台に住んでいた子供の頃の記憶を辿って、「閖上海岸」という言葉をかすかに思い出しました。

閖上日和山からは、仙台市近郊の名取市閖上地区一帯が一望できましたが、復興が進んでいるという光景ではありませんでした。

車で来る途中、何も話してくれなかった友人が、その時、津波に飲み込まれた状況について、少しずつ話をしてくれました。

その後、近隣の荒浜小学校跡へ。

津波は校舎の2階の高さまで襲い、校舎に避難していた数百人の住民の方々は、建物の屋上、上階へと避難して一夜を過ごし、ヘリコプターで1人1人救助されたその一部始終が、写真、映像、様々な記録の形で、校舎跡に展示されていました。

被災された人達にとって、あの大震災は終わった事ではなく、いつまでも心に残っている。そして、あれから長い時間が経った今も、復興が十分に進んでいない。

そして、これは仙台の地域だけではなく、他の被災地も同じなんだということを、友人は、言葉ではなく現場を見て感じて欲しい、と伝えてくれたのだと思います。

相原 滋樹Shigeki Aihara

ジュピター・アンド・カンパニー株式会社 
代表取締役

ゴールドマン・サックス証券会社にて20年間勤務し、同社アジアパシフィック担当財務責任者を務める。2011年ジュピター・キャピタル・マネジメント株式会社(当時)を設立。RIZAPグループ株式会社財務戦略のサポートに従事し、2018年株式会社ウイルグループ執行役員CFOに就任。2021年株式会社お金のデザインChief Strategy Officerに就任。

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