サクセッションプランはCEOだけ?
ゴールドマンサックス勤務時代のことです。
新たな職務のため香港に着任し、前任の上司との引継ぎ初日に尋ねられたのが、
「Shigeki、君のSuccession Plan(サクセッションプラン)を聞きたい」
でした。
つまり、将来、私がこの香港での新しい職務を離れる時の後任の候補人材を、着任初日に尋ねられたのです。
事前に考えていた候補者を伝えることから仕事がスタートしました。
当然のことながら、私がこれまでの東京の職務を離れるにあたっても、私の仕事の後任の候補者について、彼と長い期間、議論した上で決定していました。
ゴールドマンサックスでは、人事権は人事部ではなく各部にありましたので、人事異動についても、各部の責任者が決めていく組織でした。
マネジメントの一員として、これが仕事の一貫でしたので、常に自分がいなくなった後のサクセッションプランを頭に入れながら日々の仕事を進めていくことは、その後、日本の上場企業も含めた様々な企業、職務に携わる中でも、私にとっては当然のこととなっています。
「君が明日バスに轢かれたら、今の君の仕事は、一体誰が引き継ぐんだい?」という英語のフレーズを、日々多忙であるにも関わらず、ことあるごとに言われ続けたことを懐かしく思い出します。
企業の持続的な成長を会社全体で担保するため、サクセッションプランはCEO、代表取締役だけでなく、組織の各階層(レベル)でも重要です。
それが、将来の経営者候補である社員にとっても準備のプロセスとなれば、改めて、「サクセッションプラントとは」と構える必要がなくなります。
そうしたことが個人ベースでも企業組織としても、自然なコーポレートカルチャー(企業文化)を醸成していくことになるのではないかと考えます。
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