Global Risk Report 2023に思う

明日16日から始まるダボス会議を前に、今月11日に世界経済フォーラムと共同で制作された第18回グローバルリスク報告書2023年版 (Global Risk Report 2023) が発表されました。

「何がリスクか」という問いを短期と長期に分けた結果を見ると、短期における最も高いリスクは、「Cost-of-living crisis」となっています。

これは世界規模で起きているパンデミックによる危機と、ロシアによるウクライナ侵攻を契機に、エネルギーや食料課題が顕在化し、インフレや安全保障が世界的な問題となる中、社会的なリスクが非常に大きくなっていることを表していると思います。

一方、10年のTermである長期的なリスクは、地球環境に関する課題が上位にランクされ、グローバルに活動するビジネス及び政治的リーダーが、気候変動による温暖化のリスクだけではなく、生態系への影響を含めた地球環境の危機に関しても、今後の最大のリスクだと考えていることが言えます。

現在は、「経済のシステムと地球のキャパシティが衝突」している状況であり、「地球のシステム」が悲鳴を上げているのだと思います。

この状況に対応するために、私達のこれまでの経済システムの転換を行っていく時間的猶予は長くなく、地球環境への対応は立ち止まることが出来ない、企業活動において最重要課題の一つであることは明確であると思います。

相原 滋樹Shigeki Aihara

ジュピター・アンド・カンパニー株式会社 
代表取締役

ゴールドマン・サックス証券会社にて20年間勤務し、同社アジアパシフィック担当財務責任者を務める。2011年ジュピター・キャピタル・マネジメント株式会社(当時)を設立。RIZAPグループ株式会社財務戦略のサポートに従事し、2018年株式会社ウイルグループ執行役員CFOに就任。2021年株式会社お金のデザインChief Strategy Officerに就任。

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