SPEEDAの衝撃とChatGPT
10年程前、ユーザベース社が開発しローンチした経済情報プラットフォームサービス「SPEEDA」を初めて使用した時、個人的に大きな衝撃を受けました。
大学を卒業して外資系証券に入社したばかりの社会人駆け出しの一時期に行っていた業務の一つで、何時間も、時には、ニューヨークやロンドンの同僚と数日間をかけてお客様に提供していたサービスが、SPEEDAを使えば、その作業が数十分から数時間程で完了してしまいます。
そして、誰でも操作ができて、情報が常にアップデートされ正確性が向上し、グラフやプレゼンテーション資料の質も、以前のものとは比較にならないほどの出来栄えです。
さらに、当時の顧客企業もSPEEDAを使用して同じ情報を持っているので、そこに以前の付加価値は無くなっています。
つまり、私がかつて提供していた付加価値の一部が、テクノロジーの進化によって一気にコモディティー化したことを、その時、身をもって強烈に実感したのでした。
この経験が契機となり、私は今の仕事や世の中のサービスが、将来的にテクノロジーによって置き換えられる可能性があるということを常に意識しながら、物事を考え行動するようになりました。
今、ChatGPTを使う中で、SPEEDAで感じたような自身に対する変革や破壊が、特定の業界だけでなく社会全体に波及しインパクトを与え、世の中が大きく変わっていくことを感じます。
現代のテクノロジーの進化の速さを考えると、単に知識を学ぶだけではなく、自身で試行錯誤しながら使い続けるアクションが重要です。このアプローチによって、色々なモノが見えてきて理解が深まります。
こうしたフットワークの軽さと適応力は、第二、第三のChatGPTのような進化するテクノロジーにも対応できる能力を身につけることにつながります。
このプロセスは終わりのないマラソンのようであり、その取り組み方の大切さに年齢は関係ないと思います。
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